『時をかける少女』★★
- 2010-03-20
- 19:45
監督:谷口正晃
出演:仲里依紗、中尾明慶、安田成美など
これまで何度も映像化されてきた筒井康隆の同名原作を、仲里依紗主演で再映画化。母・芳山和子(安田成美)に願いを託されたヒロインあかり(仲里依紗)が、1974年にタイム・リープする青春映画。
本作の前に、より楽しめるように1983年製作の大林宣彦監督、原田知世主演『時をかける少女』と、2006年製作の細田守監督のアニメ版『時をかける少女』を鑑賞した。
----------------------
『時をかける少女』(1983)★★★☆
原田知世の透明感溢れる演技が印象的。全体的に流れる古き良き青春の日々が切ない恋を盛り上げてた。女子1人と男子2人の三角関係は、男子校で育った僕にとって羨ましい気持ちでいっぱいだった。記憶を消されたヒロインが、深町(らしき人物)と再会するもお互い気付かないシーンは原作にはないそうだが、安易なハッピーエンドではなく素晴らしかった。
----------------------
『時をかける少女』(2006)★★★
1983年版のその後、芳山和子を叔母に持つ紺野真琴(声:仲里依紗)が主人公。タイム・リープの能力(回数制限がニクい)を手に入れたヒロインが積極的に行動する姿が清々しく、現代版らしいアレンジだった。ここでも女子1人と男子2人の構成は変わらないのは良かった。ただ、芳山がタイム・リープ能力を“年頃の女の子にはよくあること”と当然のごとく扱っていることや、真琴の記憶が消されない点はビミョーだった。83年版と比べると、ストーリーが練られていて爽やかな青春映画に仕上がっていた。
----------------------
っで、2010年版。芳山和子の消されたはずの記憶は残っていて、独自にタイム・リープの薬を開発していた(凄!)という設定についていけなかった。また、五郎ちゃんが乗るはずだった…という無理矢理な関連付けや、秋田県能代行きバスの事故のくだりは、伏線としてわかりやす過ぎないか。良太を止めようと必死に走るヒロインに今ひとつ感情移入できなかった。
とはいえ、主演の仲里依紗の存在感が素晴らしかった。アニメ版の声優も見事だったが、「ミラクル起きたぁ〜!!」とガニ股(アドリブだったらしい)で叫ぶシーンから、涙をポロポロ流すシーンまで、表現豊かに演じていたのが印象的だった。舞台挨拶で素に近い彼女を目にすることができたが、意外に性格は人見知りだそうで、春からの連続ドラマなどで引っ張りだこで疲れているだろうが頑張ってほしい。
主題歌「ノスタルジア」と83年版の「時をかける少女」を歌った、いきものがかり。個人的にも彼らの爽やかな楽曲は好きなので、作品とマッチしていて良かった。
まとめ。ラーメンで例えるなら、店内で流れるBGMも素晴らしく、麺も美味しかったが、スープがイマイチなため通うほどではない感じ。強力な後ろ盾もないので上映館が少なく、興行的にはヒットしないだろうが、それだけに舞台挨拶で監督が「どうか周りにクチコミしてください」と懇願していたのが切なかった。長編映画のデビュー作だけに、彼のキャリアとしても勝負なんだろうなと、映画の裏側まで思いをめぐらしてみた。
おわり。




コメント